身近なモノをスケッチしてプロダクトの造りやデザインの仕組みなんかを理解する「観察スケッチ」。
Twitterでなんとなく流れてきて「これは面白そう…」と存在は知っていました。ハッシュタグをつけてツイートを検索してみるといろんな方の観察スケッチが出てきてワクワクします。ガジェット好きな人はよだれ出ますよ。
が、今まで檜垣万里子さんの著書である「気になるモノを描いて楽しむ観察スケッチ」は見れずじまいでした。
\ありがとうございます!/
— 檜垣 万里子 (@mrkhgk) December 15, 2020
『気になるモノを描いて楽しむ観察スケッチ』じんわり売れて増刷です。マニアックな本ですし #観察スケッチ のハッシュタグは下火になりましたが、手法としては普遍的なものなので長く手に取っていただけて嬉しいですhttps://t.co/2FqTJejAFc pic.twitter.com/HrrpZOzz2x
見よう見まねで描いたりはしてましたが、いつかはこの本を読んでみたいと思っていました。
そしてやっとのことで図書館で借りられることができたので読むことができました!読んでみた感想をまとめておきたいと思います。
「観察スケッチ」レビュー
絵を描く・イラストのテクニック的な内容はあまりありませんが、ヒントは随所に散りばめられている良書だと思いました。
この本を読むことで、
- モノの構造の考え方
- 製品の素材や質感を知る
- 描くときに使ってるツール
- ざっくりとしたパースや透視図法、イラストの基本的な方法
などなど、読み切りやすい程よいページ数の中に適度な知識やノウハウが詰まっているので、何度も読み返しやすくその都度発見があります。全127ページ。
▼目次はこんな感じ。
全てのページが興味深い…ということはありませんが「製品の一生を考えてみる」などプロダクトデザイナーらしい視点が盛り込まれております。そういうこと考えてモノを見ることって消費者側からするとすごく新鮮で、なんというか新しい発見だった。
個人的に面白かった・よかった項は、
- すぐに試せるスケッチの基本
- 完成までのフロー
- おすすめ書籍大公開
といったあたり。イラストの描き方を優しく教えてくれているほか、どうやって描くか、さらに深めるならこの本読んどけ的なところが面白かった。こういうのってなかなかセオリーを知ることがないから、流れがわかるだけでも楽しい。
描いた「観察スケッチ」とか
僕も色々と描いてみました。最初は描くのにすごく時間がかかりましたが、「いろんな角度からモノを見る」ことに気づくと物体を立体的に理解できるようになりました。
上手いとか下手とかではなく、お気に入りのモノをどれだけ愛でるかみたいな。「これのここが好きなんだよなー!」ってところに全振りしてもよし、細かいギミックにこだわるもよし。観察スケッチ自体を楽しむことが重要ですね。
モノを立体で理解することがわかると、
- この裏側はこうなってるんだなとか予測がつきやすくなる
- 線を描くときに構造を意識して描けるようになる
- 質感などの表現や立体に見せるための工夫をするようになる
といった感じで線の太さや奥行き感を出すのに色々な方法があることに気づきます。
絵で描くときは立体を平面で表現することになるのでなかなかハードルが高いんですが、繰り返すことでなんとなく「あ、ここってこんな感じかも」ってわかるようになるから不思議。
パースとかちゃんとなってるともっといい感じに見えるんですが、ちゃんとできなくても好きなもの描いてるから絶対的に許される…みたいなところはありますね。
まとめ
身近なモノを描くと自分の偏愛がわかるというか「なんでこれが好きなんだろー」ってことの深掘りができて、自分の趣味嗜好がわかってくるの楽しい。デザインって奥深いなーとかちょっと意識高い系の気分になれるので、読み物としてもおすすめです。
この本を読んで自分は人よりもモノを描くことが好きなんだなーと再確認。もちろん人も描ければいいんですけど、描きたいモノを描くほうが楽しいので人を描くのはしばらく押入れにしまっときます。
というかいきなり人を描くよりも「立体物を描けるようにならないと人って描けないのでは…?」と気付かされる一冊でもあるかも…。