中学生の頃に起こったバンドブーム、これがきっと楽器を始める一番最初のきっかけだったと思います。
友達同士で音楽室に入り浸って「誰がギターだ誰がボーカルだ」などとワイワイやっていたのが懐かしい思い出です。
バンドの花形といえば大抵はボーカルかギターですよね。
モテたい一心で練習しましたが歌もギターもからっきし。まったくもって上手くもなければ上達もしませんでした。
それでも「どうにかしてバンドに入れてもらいたい!モテたいんだ!」と僕が選んだのがドラムでした。
それから20年あまり経ちましたが、大人(おじさん)になった今でも音楽を演奏する楽しさが忘れられません。(と言っても独学で基礎もなってませんがw)しかも学生の時のように時間があるわけではない。
どうにかして一人でも音楽を楽しめる方法はないかと調べていくうちに出会ったのが「DTM(デスクトップミュージック)」、そしてその音楽づくりを叶えてくれるのがこのNative InstrumentsのMaschine MK3です。
ひとことで言えば「PRODUCTION AND PERFORMANCE SYSTEM」、音楽制作と演奏をデジタルで完結するオールインワンシステムです。
この男ゴコロをくすぐるその名の通りマシーンで一体何ができるのかご紹介します。
目次
Native Instruments Maschine MK3とは
Native Instruments(ネイティブインストゥルメンツ)はドイツのベルリンに本社を構える音楽制作・DJプレイ用のハードウェア・ソフトウェアの会社です。
その製品の一つであるMaschine(マシーン)はドラムパッドに特化したハードウェア&ソフトウェアで、多くの音楽制作者に愛用されてきました。DJとかやってる人はみんな知ってる TRAKTORの会社です。
Maschineは初代からMK2、そしてMK3までモデルチェンジを繰り返しバージョンアップしてきました。持ち運びやライブを想定したミニサイズのMikro、据え置き型のStudio、メインにもサブにもなりうるJAMと、音楽制作のスタイルに合わせてラインナップも充実しています。
ラインナップいっぱいあってよくわからないでしょうが、つまりは音楽作る機械です。
その中でも大幅なリニューアルを経てこの最新機種Maschine MK3が登場しました。
どんなことができるかというと、音楽を作ることももちろんですがライブパフォーマンスにも長けています。作ったトラックを組み合わせてDJのように遊ぶこともできますし、1人でバンドのような演奏も可能です。
▼できることは動画を見てもらった方が早いと思うので見てください。ほんの一部ですが、音楽制作するときはこんな感じです。
▼ライブパフォーマンスの時にはこんな感じのことができます。
動画のMaschineは古いタイプのMK2ですが、なんかワクワクしてきませんか。これくらいできたらめっちゃ楽しそう。
ドラムって自宅で練習するにはすごくハードルの高い楽器なんです。マンションとかじゃ電子ドラムとかも響きそうで怖いし、何より場所とっちゃうんですよね。
でもこのMaschineとパソコンさえあればフィンガードラムで生演奏のように楽しめるし、自分で作曲もできる最高の楽器なのです。これはもはや楽器。
前置きがめちゃくちゃ長くなりましたが、そんなインドアな僕にはぴったりのおもちゃMaschine MK3のレビュー行きたいと思います。
主役の16個のパッド、2つの高解像度ディスプレイ
外観を眺めてまず目に飛び込んでくる大きな16のパッド。Maschineのデザインの中で重要な操作部分であるこのパッド、そして周りを取り囲むように配置された無数のボタンとノブ。
これだけでもうなんかテンション上がりませんか。上がるでしょ。上がれ。
このパッドやボタンを使って音楽を作っていくシステムなのです。ドラムやっている人は共感してもらえると思うんですが、音楽聞くとつい手が動いちゃうことってないですか?そんな無意識のうちに叩くイメージでこのパッドを叩く。それがドラムになるのがフィンガードラムなんですめっちゃ良い。
パッド一つ一つのカラーも変えられてカラフルだし、見た目にもおしゃれ。
MK3になってからパッドの大きさも感度もベストバランスになったので、フラムやダブルストロークも叩きやすくなっています。
ディスプレイも大型で見やすいので、パソコンの画面を見ることなく制作に集中することができます。
直感的に操作できるタッチセンサー搭載のノブと大型エンコーダーダイアル、これらを合わせることでほぼ全ての操作をMaschineハード本体から行うことができます。
オーディオインターフェイス内蔵で外部から録音(サンプリング)できる
これはかなり嬉しいバージョンアップ。MK3からオーディオインターフェイスが内蔵されました。
今までは別で用意してレコードやギター・ベースなどの音を録音しなければならなかったんですが、MK3には96 kHz / 24-bitのオーディオインターフェイスが。本体背面にはマイクやiPhoneやギターなども取り込めるラインインも搭載。ヘッドホンアウトもあるので、もうMaschine一つで曲作りに必要な機材は揃っています。
▼レコードやiPhone・iPadなどの外部機器からサンプリングも可能です。
しかもUSBバスパワー。パソコンとケーブルをつなぐだけで起動できます。外付けのアダプターは必要ないので、わずらわしい配線も必要なし!
Maschineにはソフトウェアが付属、別でDAWを用意しなくても良い
Maschineのハード(本体)にはあらかじめMaschineソフトウェアが付属しています。しかもフルバージョンで、かつ25GBにもなる膨大な音源も一緒についてきます。
つまりMaschineを買うことで、
- Maschineソフトウェアをコントロールできるハードウェア
- フルバージョン(制限なし)のソフトウェア
- 音楽制作に使えるサンプル・ソフトウェア音源
これらが全てパッケージングされています。手にした日からパソコンに音楽製作ソフト(DAW)をダウンロード・インストールでき、音楽制作に使えるイケてる音源が全て使えるようになります。
普通はコントローラーにフルバージョンのソフトウェアは付属していません(お試し版くらいはついてきます)ので、別で用意する必要があります。
安くても音楽製作ソフトって2万円くらいからになるので、初めてDTMをやる人にはちょっとハードル高いんですよね。
でもこのMaschineを手に入れれば、その日から早速音楽を作ったりフィンガードラムを楽しむ事が出来るんです。これ地味にすごい事ですから。一番安いMaschine miklo mk3なら3万円くらいで買えるので、お金のかかるパソコン音楽づくりの心強い味方ですね。
楽器が演奏できなくても音楽が作れる機能が満載
「楽器とか演奏全くできないんだけど」
大丈夫です。僕もドラムこそなんとなくやってきましたが、ギターやピアノなどの音階のある楽器なんて全くできません。それどころか音符も読めないのです。
もちろん音楽的な知識はあるに越したことはないんでしょうけど、それがハードルになって楽しめないのは辛いですよね。そんな楽器に精通していない人でも直感的に音楽の演奏を何となく楽しめる機能がMaschineには満載です。
打ち込みが苦手な人でも直感的に入力できるSTEP MODE
リアルタイムに打ち込むのがイマイチ苦手な人でも大丈夫。タイミングをはかりながら打ち込まなくても各パッドごとにステップシーケンサーがついています。
▼適当にポチポチやるだけで打ち込みができるのでドラムの打ち込みも簡単、やり直しも瞬時に反映されます。各サウンドにエフェクトをかける事だって出来ちゃいます最高。
仕組みを理解するにはちょっと慣れが必要ですが、おもちゃをいじってるみたいで楽しいです。
またMaschineにはタイミングがずれても大丈夫なクオンタイズという機能もあるので、リズム感がなくてもトライアンドエラーを繰り返す事で理想のビートを作り上げる事が出来ます。
フレーズの入力やエフェクトの効果をコントロールできるSmart Strip
Maschine MK3から搭載されたSmart Stripというリボンタイプの入力装置。
ギターのアルペジオやピアノのフレーズなどを直感的に操作したり、ピッチ・モジュレーション、エフェクトの効果をコントロールする事ができます。
僕はギターやピアノは演奏できませんが「指を滑らせること」くらいならできます。
▼こんな感じで滑らせるだけで音が鳴らせます。
Maschineはそれだけでなんか良い感じの音楽が演奏できるので、ピアノやギターを1から練習しなくても偶然ステキなメロディーが生まれる事だってあります。
音楽的な知識や技術がなくても楽しめるのがこのMaschineのSmart Stripの面白さです。
音階とかわからなくても指一本で弾けるKEYBOARDとCHORDS機能
ドレミファソラシドがわからない僕なので、鍵盤楽器やギターなどの弦楽器も苦手です。
音楽が作りたくてもなかなか理解するのは難しく、小学校の頃にちゃんと勉強しておけばよかったと後悔しております。
そんな僕でもMaschineのKEYBOARDモードでパッドでの入力が可能です。鍵盤とかちんぷんかんぷんでも、パッドで打ち込めるのは気楽でいいもんです。
そしてピアノやギターでよく聞く「コード」。マイナーやメジャーとか、セブンスコードとかよく耳にする事があるヤツです。
全く弾き方や理屈がわかってないので弾けないんですけど、Maschineなら全く知らなくてもコードを指一本で弾く事が出来ます。それがCHORDS機能です。モードを切り替えて任意のパッドを押す事で、Maschineがそのコードを鳴らしてくれるんです。これめっちゃ良い。
数種類のコードのパターンがあらかじめまとめられているコードセットもあるので、その中からいい感じのコードを選んで録音する事が出来ます。b
僕みたいにリズムやビートは作れるけどメロディーが全く出来ない人にとっては最高の機能です。これだけで曲っぽくなりますよね。
iPhoneアプリ「iMaschine2」との連携でどこでもビートスケッチ
iPhoneに対応のアプリ「iMaschine2」を使うことで外出先でもトラックを作ることが可能です。生み出したアイデアはファイルとしてMacなどに共有し、Maschineソフトウェア上でプロジェクトを開くこともできます。
ちょっとした空き時間を利用して思いついたフレーズを残しておくのに便利です。
「iPhoneでもちょっと音楽づくりしたいなー」って人はまずこのアプリからはじめて見るのも面白いですよ。安くはないアプリですが、できることは多く連携もスムーズ。
iMaschine 2
NATIVE INSTRUMENTS GmbH¥1,200posted withアプリーチ
まとめ:コンパクトなボディに無限大の可能性と面白さがMaschineにはある
まだまだできる事がたくさんありますが、さわり程度にご紹介しました。楽器ができなくても音楽を楽しむ事ができるので、使いこなせるようになりたい。
ここからフィンガードラムとか作曲とかピアノとかその辺のことも勉強して、趣味として曲作りができたら楽しいだろうなあ。
大人になって自由な時間が限られてきた、でもやりたいことを諦めたくない。そんな思いの人は多いのではないでしょうか?そんな僕のモヤモヤを解消してくれるプロダクトがMaschineですね。
最近は奥さんにピアノを習ってドレミファソラシドから勉強してますw
Maschineに関しては海外の方がシェアがあるのでどうしても外国語での解説が多いんですが、日本語でわかりやすく説明できるようにブログを更新していこうと思います!
追記:Maschine Mikro MK3レビューも書きました!
小さいサイズに詰め込まれた機能。シンプルでもパワフル。そんな印象のMaschine Mikro MK3のレビューも書きました。圧倒的にMaschineシリーズの中ではコスパがいいので、初めての人にはこちらをおすすめします。